【ジャスティン・ビーバーも罹った】ライム病について【解説】
こんにちは
今日は有名歌手のジャスティン・ビーバーやアヴリル・ラヴィーンが
公表したことで注目されている【ライム病】についてまとめました。
はじめに(ライム病とは)
ライム病はマダニによって引き起こされる細菌感染症です。
皮膚、関節、神経などの多臓器に影響する全身性の感染症です。
ライム病という名前はコネチカット州ライムで発生したことに由来します。
日本では5段階あるうちの4類感染症に分類されています。
※1類に近づくほど危険な感染症です。
医師はライム病と診断後、直ちに最寄りの保健所に届け出る必要があります。
潜伏期間
数日〜数週間
診断
病原体の検出が必要です(血液培養や皮膚生検が行われます)
症状
経過によって感染初期、播種期(はしゅき)、慢性期の3つに分けられます。
感染初期(1期):ライム病で特徴的な皮膚症状である遊走性紅斑(ゆうそうせいこうはん)が現れます。
病気が進行すると十数cmに広がることもあります。
画像が見たい場合はGoogleで『遊走性紅斑 画像』と検索してください。
その他に、インフルエンザでも見られる頭痛や筋肉痛、関節痛などを伴うことがあります。
播種期(2期):播種とは種を撒いたようにバラバラに広がることを意味します。
播種期では、病原体が全身に広がることで発熱、循環器症状の不整脈や心筋炎、
眼の角膜炎、髄膜炎などの神経の症状を伴うこともあります。
慢性期(3期):重い皮膚症状や慢性関節炎、慢性脳脊髄膜炎などを伴うことがあります。
治療方法
ライム病には抗生物質が有効であることが知られています。
今のところ、耐性菌は確認されていません。
感染初期(1期)の遊走性紅斑の場合
処方例として 下記の1か2のいずれかを用いる.
【テトラサイクリン系】
1、ビブラマイシン(ドキシサイクリン)錠100mg 2錠
1日2回 朝・夕食後 14〜21日間(保険外適応)
【ペニシリン系】
2、サワシリン(アモキシシリン)カプセル250mg 6カプセル
1日3回 朝・昼・夕食後 14〜21日間(保険外適応)
播種期(2期)の髄膜炎等がある場合
処方例として
【セフェム系】
ロセフィン(セフトリアキソン)注 1回2g
1日1回 点滴静注 14〜28日間
まとめ
ニュースによるとジャスティス・ビーバーは重い症状を患っていたことがわかります。播種期(2期)や慢性期(3期)の症状と闘っていたことが推測できます。
ライム病の予防として一番確実なのはマダニに噛まれないことです。
春から初夏&秋はマダニの活動期です。
1、薮などのマダニの生息地に入らないこと
2、素肌を露出させず、虫よけをし、マダニを体に近寄らせないこと
の2点が重要です。
万が一マダニに噛まれた場合には、
悪化を予防するため、自分でマダニを引き剥がさないで、
直ちに病院の皮膚科を受診してください。