【風邪に抗生物質は時代遅れ!?】かぜ症候群について【解説】
こんにちは
今日は皆さんも一度は経験のある【かぜ症候群】についてまとめました。
はじめに(かぜ症候群とは)
かぜ症候群は子供からお年寄りまで誰でもかかる可能性があり、最もポピュラーな病気です。
鼻から咽喉(のど)の炎症を伴うことで、咳(せき)、鼻水、のどの痛み、発熱を訴えることが多いです。
かぜ症候群の原因の約9割がウイルスによるもので、細菌を殺す目的で作られた抗生物質は効きません。
※注意!!ウイルスと細菌は全く違うものです。
ウイルスが原因となるかぜ症候群では抗生物質を使わないことが推奨されています。
かぜ症候群は肺炎や結核,肺癌などの初期症状と似ており、これらの重大な病気を見逃さないことが大切です。
潜伏期間
通常1~3日間
診断
鼻水、のどの痛み、倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)、
頭痛、咳嗽(がいそう:咳のこと)、筋肉痛、38℃以上の発熱などの
症状を根拠にして診断します。
診断キットを使うことでインフルエンザウイルスや
咽頭炎の原因となるA群βレンサ球菌は調べることが出ます。
かぜ症候群の症状と似ている他の重大な疾患を見逃さないことが大切です。
症状
鼻閉・鼻汁などの鼻症状や、のどの痛み、全身症状としては倦怠感・発熱などを伴います。
かぜ症候群は症状により主に4つに分類されています。
1、非特異的上気道炎型
鼻閉、鼻汁などの鼻症状、のどの痛みなどの上気道症状、咳や痰などの下気道を伴うが目立った所見がない
2、鼻炎型(急性鼻・副鼻腔炎)
鼻閉、鼻汁などが主な症状
のどの痛みなどが主な症状
4、気管支炎型
下気道(気管、気管支)からくる咳や痰などが主な症状
治療方法
かぜ症候群の治療の基本は、
1、身体を温めること
2、安静にすること
3、しっかり休むこと
4、こまめな水分補給
です。
特効薬はなく、自然に症状が軽くなるのを待つことが基本です。
かぜ症候群の原因の約9割がウイルスによるもので、細菌を殺す目的で作られた抗生物質は効きません。
※注意!!ウイルスと細菌は全く違うものです。
治療は症状を和らげる治療(対症療法)がメインで
原因を取り除く治療(原因治療)はほとんど行われません。
※例外としてインフルエンザやA群βレンサ球菌による咽頭炎に対しては原因を取り除くための治療(原因治療)が行われます。
また、発熱はウイルスと闘うために重要であり、
状態が良ければ必ずしも解熱させる必要はありません。
まとめ
最近では、抗生物質が効かなくなる耐性菌を防ぐ目的で
ウイルスが原因となるかぜ症候群では抗生物質を使わないことが推奨されています。
詳しくはGoogleで2017年6月の【抗微生物薬適正使用の手引き】を検索してください。
しかしながら、ハイリスク群の患者(細菌感染を合併しやすい)さんは
抗生物質の使用が認められています。
1)65歳以上の高齢者
2)老人ホームや長期療養施設入所者で慢性疾患を有する者
3)心肺に慢性疾患を有する者
4)糖尿病,腎疾患,免疫不全を有する者
5)インフルエンザ流行期に妊娠中期〜後期にかかる予定の妊婦
かぜ症候群の予防として一番確実なのはウイルスに感染しないことです。
かぜ症候群になるリスクを減らすために
『感染成立の三要素』について紹介します。
上記の図からもわかるように感染が成立するためには
①感染源(病原体)
➁感染経路
③宿主
の3つの要素が必要です。
逆に一つでも防げれば感染は起こらないです。
かぜ症候群の場合
①感染源(病原体)はウイルス
➁感染経路は飛沫感染(咳やくしゃみ)または接触感染(ウイルスが手に付着等)
③宿主はあなたの健康状態です。
これを見ると、
感染源となる人混みや風邪をひいている人に近づかないこと
感染経路を断つためのうがい・手洗いやマスク
宿主としてウイルスに対抗できるだけの体調を維持すること
が改めて大切だと分かりますね。