現代の教養~知識・お金から薬まで~

現代の教養~知識・お金から薬まで~

このブログは《①一般教養(知識)をまとめること》《②お金の稼ぎ方を紹介すること》《③薬と健康の情報を発信すること》が目的です。

ブログランキング・にほんブログ村へ

【なぜインフルは毎年流行るの?】インフルエンザについて【解説】

こんにちは

今日は昨年11月頃から流行した【インフルエンザ】についてまとめました。

 

f:id:modern-liberal-arts:20200112150428j:plain

インフルエンザA型の電子顕微鏡写真

 

はじめに(インフルエンザとは)

インフルエンザは毎年冬に流行し、学級閉鎖などの集団感染を起こします。

細菌ではなくインフルエンザウイルスが原因となる感染症です。

※細菌とウイルスは異なるものです!!

 

インフルエンザウイルスはウイルスを構成するタンパクの違いによって

A型、B型、C型の3つに分類されます。

この中で、A型とB型が大流行の原因となります。

 

A型はさらに100種類以上に細かく分けられ、

有名なのは、A/H3N2(香港型)と、A/H1N1 pdm092種類です

B型は、山形系統ビクトリア系統の2種類が知られています。

 

症状としては、突然の高熱や鼻閉・鼻汁などの鼻症状、のどの痛み、

全身症状として筋肉痛、関節痛、倦怠感を訴えることが多いです。

 

インフルエンザに対しては、症状を和らげる治療(対症療法)と

原因を取り除くための治療(原因治療)が行われます。 

 

毎年流行する理由として、ウイルスが寒い地方に潜んでおり

渡り鳥を経由するため冬に流行する説が有力です。

インフルエンザが流行する謎についてもっと知りたい方は

下記の【̚カドブン】へのリンクをお読みください。

 https://kadobun.jp/feature/interview/80.html

潜伏期間

通常1~3日間

 

診断

インフルエンザを検出する迅速診断キットが使われます。

鼻に綿棒を挿された方も多いかと思います。

迅速診断キットにより、インフルエンザを検出できる割合は8〜9割のため、

インフルエンザの流行期には、高熱でインフルエンザの患者さんと接触したことが分かればインフルエンザと診断されることがあります。

また症状として

鼻水、のどの痛み、倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)、

頭痛、咳嗽(がいそう:咳のこと)、筋肉痛、38℃以上の発熱などの

症状を根拠にして診断します。

※熱を産生する能力の弱い高齢者やインフルエンザワクチンを接種した人は

インフルエンザに罹っても発熱しないことがあるため注意が必要です。

厄介なことに発熱が無くても他の人へ感染する能力はあります

 

 

症状

鼻症状として:   鼻閉・鼻汁など

上気道症状として: のどの痛みなど

下気道症状として: 咳や痰など

全身症状として:  筋肉痛、関節痛、倦怠感

を訴えることが多いです。

 

 

治療方法

インフルエンザの治療は、かぜ症候群と同じように

1、身体を温めること

2、安静にすること

3、しっかり休むこと

4、こまめな水分補給

が大切です。

 

原因のウイルスを抑える治療(原因治療)として下記のいずれかがよく処方されます

処方例

ノイラミニダーゼ阻害薬

1、タミフルカプセル(75mg) 1回1カプセル 

1日2回 5日間

 

2、イナビル吸入粉末剤(20mg/容器)

1回2容器 単回吸入  ← 1回のみの使用で効きます

※イナビルは牛乳アレルギーの人は使えません。

 

3、リレンザ吸入(5mg/ブリスター) 

1回2ブリスター 1日2回 5日間

リレンザは牛乳アレルギーの人は使えません。

 

Capエンドヌクレアーゼ阻害薬

ゾフルーザ錠(20mg) 1回2錠(体重80kg以上の患者には4錠)

単回投与       ←1回のみの使用で効きます

 

重症の場合

ノイラミニダーゼ阻害薬

ラピアクタ注 1回600mg 15分以上かけて単回点滴静注

 

鼻水、のどの痛み、頭痛、咳などの症状を和らげる治療(対症療法)も行われます。

 

注意点!!(インフルエンザ脳症にならないために)

発熱に対してはカロナールアセトアミノフェン)が推奨されています。

小児ではインフルエンザ脳症の危険性が高まるため、ジクロフェナクやアスピリン使用は原則として禁止されています。

詳しくは下記の記事をお読みください。

 

modern-liberal-arts.hatenablog.com

 

 

まとめ

インフルエンザの予として広くしられているのはワクチンの接種です。

現在のインフルエンザワクチンは

A型2種類+B型2種類合計4種類

のインフルエンザウイルスに対応できるようになっています。

※A型は100種類以上存在するため、ワクチンを接種しても対応できず、

インフルエンザになってしまうということが起こってしまいます。

 

高齢者や喘息などのハイリスクとなる病気を持っている場合は、

ノイラミニダーゼ阻害薬のタミフルやイナビルなどの予防的な使用も実施されます。

 

かぜ症候群の時と同じで繰り返しにはなりますが

 インフルエンザの予防として一番確実なのはウイルスに感染しないことです

 

とても大切なので再度『感染成立の三要素』について紹介します。

f:id:modern-liberal-arts:20191214224410j:plain

感染成立の三要素

 上記の図からもわかるように感染が成立するためには

①感染源(病原体)

➁感染経路

③宿主

の3つの要素が必要です。

逆に一つでも防げれば感染は起こらないです。

 

インフルエンザの場合

①感染源(病原体)はインフルエンザウイルス

➁感染経路は飛沫感染(咳やくしゃみ)または接触感染(ウイルスが手に付着等)

③宿主はあなたの健康状態です。

 

これを見ると、

感染源となる人混み風邪をひいている人に近づかないこと

感染経路を断つためのうがい・手洗いマスク

宿主としてウイルスに対抗できるだけの体調を維持すること

が改めて大切だと分かりますね。