現代の教養~知識・お金から薬まで~

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【便利】病院でもらった薬の調べ方【添付文書の活用】

こんにちは。

今日のテーマは【病院でもらった薬の調べ方】についてです。

この記事は約5分で読めます。

 

はじめに

自分や家族が飲んでいる薬について、

『何の薬なのか知りたいけど、どうやって調べればいいのかわからない。』

『ネットの情報をみたら不安になり、この薬を飲んでいいのかわからなくなった』

という人が多いと思います。

この記事では、医療関係者も使っている【添付文書】の活用方法について解説します。

 

本文

1.  医薬品の調べ方【添付文書の使い方】

添付文書とは簡潔にまとめると

  • 医薬品医療機器法に基づいている。
  • 患者の安全を確保し、適正使用を図ることが目的。
  • 医薬関係者に向けての情報。
  • 当該医薬品の製薬会社が作成したもの。

です。

 

メリットは信頼できる

添付文書は法律に基づき、医薬品を販売している製薬会社が作成した信頼できる情報源です。

デメリットは難しくてわかりにくい

医薬関係者向けなので難しく、たくさんの情報が載っているのでわかりにくいというのが難点です。

 

実際の使い方を説明します。

まずは検索方法についてです。添付文書の調べ方は簡単です。

Googleの検索画面で

『調べたい薬の名前 添付文書 PDF』

と入力してください。

 

例えばロキソニン(鎮痛薬)を調べたい場合

ロキソニン 添付文書 PDF』

と入力すると、すぐにロキソニンの添付文書を探すことができます。

 

※注意!!できるだけジェネリック医薬品後発医薬品)ではなく、先発医薬品の名前で調べてください。先発医薬品のほうが情報が豊富であり、詳細に書かれています。ロキソニンは先発医薬品、ロキソプロフェンナトリウムジェネリック医薬品後発医薬品品)です。

 

2.  リスクとベネフィットについて考える

薬を知るうえで、1つ大切な考え方があります。

それはリスクとベネフィットについてです。

  • リスクとは危険性のことであり、副作用などが該当します。
  • ベネフィット利益、恩恵のことで、薬の効果によって症状が改善するなどが該当します。

正しく薬を理解するために、常にリスクとベネフィット、それぞれの確率を意識する必要があります。

 

例えば、

確率を意識しない場合

歯医者に行って、抜歯して痛み止めの薬をもらうときに、

『この痛み止めは、

痛みを抑える効果(ベネフィット)がありますが、

副作用(リスク)胃潰瘍を起こすことがあります。』

と説明されたらどう思うでしょうか?

胃潰瘍となる副作用(リスク)が怖くて使うのをやめようかと思いませんか?

 

先ほどの説明に

確率を意識した場合

の補足を付け加えると

『この痛み止めは、抜歯の痛みを抑える効果(ベネフィット)が90%の人にあります

しかし、消化性潰瘍としての副作用(リスク)を起こすことが0.05%ほどあります。

食後にこの薬を服用することで副作用を起こりにくくできます。

また、副作用が起こってもすぐに服用を中止して、適切な処置を行えば治ります。』

このように説明されたら、

圧倒的にベネフィットの方が高いので使ってみようと思いませんか?

 

薬を使用するときは、リスクを可能な限り抑えて、

一番大きなベネフィットが得られるようにバランスを管理することが大切です。

添付文書にはリスク(副作用)についてと

ベネフィット(薬の効果)についてが詳細に書かれています。

 

3.【禁忌】飲んではいけない人

禁忌とは、当該医薬品(その医薬品)を飲んではいけない人のことです

禁忌のある薬は、添付文書の左の上の部分に赤枠内に黒文字で

【禁忌】と記載されています。

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添付文書の禁忌について

※注意!禁忌のない薬もあります。

 

よく目にする禁忌としては、

●本剤成分に過敏症のある患者

⇒この薬を飲んで蕁麻疹(薬疹)やアレルギー症状が出た患者は飲んではいけないという意味。ペニシリンショックなどニュースになったことが有ります。

 

●妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

妊娠している人は使ってはダメですという意味です。

 

4.【相互作用】薬の飲み合わせ

 もう一つ注意していただきたいのが併用禁忌です。

薬の飲み合わせ(相互作用)が問題となるため、一緒に飲んではいけない薬があります。添付文書の途中に赤枠と黒文字で【併用禁忌】と記載されています。

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添付文書の併用禁忌について

※注意!併用禁忌のない薬もあります。

よく私が遭遇する併用禁忌では、内科で眠剤のベルソムラ(スボレキサント)をもらっている患者さんが副鼻腔炎で耳鼻科に行って抗生剤のクラリスクラリスロマイシン)が処方されてしまうといったケースがあります。これらの薬は一緒に使用してはいけません。添付文書にはこのような情報も記載されています。

 

5.  その他の注意点

他には、

腎機能が悪い方には薬の用量を減量する指示が記載されていたり、

乳幼児や小児などの年齢による用量の記載がされています。

また妊娠や授乳中の患者への注意事項も書かれており、

大変有用な情報源です。

 

まとめ

いかがでしょうか。今日は薬について調べるうえで法律に基づき、信頼のある情報源の添付文書について書きました。

ネットの情報には誤解を招く表現や正確でない情報も多い中、添付文書を活用すると自分が飲んでる薬や家族が服用している薬の正確な情報を手に入れることができます

また、添付文書を読むときは常にリスクとベネフィットを天秤にかけた確率を意識して情報を見ることが大切です。