【パニックにならないように】糖尿病薬(メトホルミン)から発がん性物質検出
こんにちは。
今日はとても残念ですが、【糖尿病の薬(メトホルミン)から発がん性物質が検出】という報告についてお伝えします。
私の予想では、近いうちにテレビやニュースでも取り上げられると思います。
『医薬品の品質、発がん性物質、安全性崩壊』などのインパクトを狙ったようなワードが並ぶかと思いますが週刊誌や報道を受けてパニックにならないようにすることが大切です。
本件の概略を下記にまとめます。
概略
シンガポール保健科学庁がメトホルミン(糖尿病の薬)から
発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンが検出されたと発表
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発表を受けて、欧州医薬品庁(EMA)、アメリカ食品医薬品局(FDA)等でも、アナウンスがされる
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世界各国が協力し、原因について調査中
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日本では厚生労働省が国内における製造販売業者に対し、分析を行うよう指示
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今後の対応として、調査結果を踏まえながら対策をする予定
予想される健康被害のリスクについて
シンガポール保健科学庁は、
検出された発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンの量は極微量であり、短期間服用したことによるリスクは極めて低いとしています。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、
70 年間毎日、一日許容摂取量の発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンを 摂取しても、発がんリスクの上昇は懸念されないとしています。
パニックにならないように
メトホルミンは血糖をさげる薬(糖尿病の薬)の中でも、とても重要な薬剤であり、服用をやめることにより様々なリスクを生じる可能性があります。
現時点で日本国内のメトホルミンを含有する製剤から発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンは検出されておらず、メトホルミンを含有する製剤の服用を中止しないようにすることが大切です。
欧州医薬品庁(EMA)は、
メトホルミンの服用中止により色々な合併症のリスクがあり、これらは発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンによる影響より極めて重大であるとしています。メトホルミンの服用を中止しないよう注意喚起を行っています。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、医師や薬剤師に相談なくメトホルミンの服用を中止しないよう注意喚起を行っています。
個人的意見
糖尿病の薬(メトホルミン)から発がん性のN‐ニトロソジメチルアミンが検出されたと報告がありましたが、メトホルミン服用中の患者さんは服用をやめることによって糖尿病が悪化するリスクが高いため、服用を中止しない方が良いという知らせでした。
メトホルミンは日本でも糖尿病の重要な薬として認知されています。服用している患者さんの数も多いです。
詳細がわかるまで待つことが大切だと思いますが、実際に自分や家族がメトホルミンを服用していたらとても複雑な気分になると思いました。
現在、厚生労働省が日本国内の製造販売業者に対し、分析を行うよう指示していますが良い結果となることを願います。